小児歯科学雑誌
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Print ISSN : 0583-1199
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原著
当科における知的障害児(者)の歯科診療に関する実態調査
林 文子光畑 智恵子有木 美早大元 聡子平田 涼子三宅 奈美中岡 美由紀太刀掛 銘子海原 康孝大原 紫吉村 剛新里 法子坪井 文天野 秀昭香西 克之
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2013 年 51 巻 1 号 p. 21-27

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抄録

2009 年度に本院小児歯科を受診した知的障害児(者)を対象に,歯科治療の実態調査を行い,2004年度における当科の実態1)と比較し,以下の結果を得た。1 .2009 年度に来院した知的障害児(者)数は315 名(男児208 名,女児107 名),延べ1,646 名であった。これは当科延べ来院患児(者)総数の13.4%であり,2004 年度(8.6%)と比較し増加した。2 .年齢分布は7 歳から12 歳が38.1%と最も多く,次いで13 歳から18 歳が23.5%であり,2004 年度と近似していた。3 .患児(者)の障害の種類は,自閉症が42.5%で最も多く,次いで精神発達遅滞が25.7%,Down 症候群10.2%,脳性麻痺9.8%であった。2004 年度と比較し精神発達遅滞の占める割合が低かった。4 .診療内容は歯石除去が25.9%,成形修復18.7%,歯科衛生実地指導16.7%であった。2004 年度と比較し,歯髄処置が増加した。5 .対象者の60.3%に対し何らかの体動コントロールを行っていた。2004 年度(50.7%)と比較し有意に増加した(p<0.05)。

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© 2013 日本小児歯科学会
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