小児歯科学雑誌
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原著
小児歯科外来で実施する事前アンケートと行動予測の関連性について
大塚 愛美黒田 翠酒井 暢世菊池 元宏池田 孝雄朝田 芳信
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2014 年 52 巻 4 号 p. 493-500

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抄録
本学歯学部附属病院小児歯科外来では,歯科診療を円滑に行うための一助とすることを目的に,初診来院した患児の保護者を対象に4 設問4 選択肢の簡便な事前アンケート調査を実施してきた。このアンケート結果が診療中における小児行動予測の客観的情報と成り得るのかを検討するため,初診来院した3 歳児から8 歳児の保護者から得られた事前アンケート143 件を抽出し,その結果とその患児が実際の処置中に起こしたFrankl 分類のクラスを比較検討したところ,以下の結論を得た。1 .設問1~3 までは【積極的】が最も多かったが,設問4 のみ消極的が最も多かった。2 .Frankl 分類で最も出現率が高かったのはClass 3,また,Class 1 は6 歳以上で,Class 2 は8 歳で認められなかった。3 .事前アンケート設問内容の影響度について,第1主成分の寄与率は約6 割に及び,第2主成分および第3主成分の寄与率はほぼ同率の約2 割であった。4 .事前アンケートからFrankl 分類を予測できるかどうかを明らかにするために事前アンケート結果とFrankl 分類のクラス間で判別分析を行った結果,4 歳では全てのクラスで,5 歳ではClass 2 を除くクラスで,6 歳以上においてもサンプルの揃うクラスは全て予測しうる可能性がある旨が示唆された。5 .4 歳ならびに5 歳において,個々のデータを用いて実際に予測を行ったところ,4 歳児のClass 3 のみ予測ができなかったと判定された。以上を踏まえ,これまでその判断を担当医の経験に任されていた事前アンケートも,精査をする事によりエビデンスを見出せる事が示唆された事は,臨床経験の長い小児歯科医はもちろん,比較的若い小児歯科医や小児歯科医以外の歯科医の患児への対応技術の向上の一助となり,意義のあるものであると思われた。
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© 2014 日本小児歯科学会
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