小児歯科学雑誌
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原著
本学小児歯科外来における初診患者の実態調査
丸谷 由里子及川 利佳子齊藤 桂子田中 光郎
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2017 年 55 巻 1 号 p. 37-43

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抄録

少子化時代における大学病院小児歯科の果たすべき役割を考えるうえで,初診患者の動向は重要な示唆を与えるものと考えられる。そこで,2011 年度から2015 年度までの5 年間に本学小児歯科外来を受診した初診患者を対象に実態調査を行った。また,10 年前に当科で行った同様の調査と比較検討し,以下の結果を得た。

1 .初診患者数は1,899 人で,前回調査と比較し,増加していた。特に1 歳児,2 歳児の患者数が著しく増加していた。

2 .初診患者の居住地域は市内が多く,約半数を占めていた。

3 .紹介患者の総数は912 人で,全初診患者の48.0%であり,前回調査よりも著しく増加していた。紹介元は開業医が半数で,その主訴は齲蝕治療が最も多かった。

4 .主訴は齲蝕処置が31.7%と最多であり,次いで診査希望17.0%,外傷11.0%,歯列咬合10.0%だった。 前回調査と比較すると,診査希望,予防が増加していた。

5 .初診患者の一人平均齲蝕歯数(乳歯)は3.25 で,平成23 年歯科疾患実態調査1.40 と比較し,高い値であり,特に,6 歳以下で大きく上回っていた。

本学小児歯科が果たしていくべき役割は,医科との綿密な連携をとり様々な全身疾患を持つ小児に対応していくこと,高次医療機関として地域医療のニーズに応えること,小児歯科の専門性を地域に発信し,小児の口腔内の健全な発育に寄与していくことであると考えられた。

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© 2017 日本小児歯科学会
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