小学校において被虐待児にみられる行動特徴から要保護児童をスクリーニングできる質問紙を作成するために,教職員にとって判断が容易で信頼性の高い回答が得られる項目を厳選するための基礎調査を行った。64名の小学校の教職員に,35項目からなる同じ内容の質問紙に2週間の間隔をあけ,2回回答してもらった結果を照合し,質問内容の判断の容易さ,回答の再現性,および文章表現について検討した。
1.学校現場で教職員が判断するのが難しい質問項目は,「トイレの後に手を洗わない」,「行事の時の弁当が手作り弁当ではない」,「保護者と目を合わさず,おどおどする」,「家族関係に変化があった」,「年齢にそぐわない性的な言動がみられる」,「病気になっても病院に行かない」,および「過度な警戒心を持つ」であった。
2.回答の信頼性の低い質問項目は,「やせすぎている」,「行事の時の弁当が手作り弁当ではない」,「よく教室から離れる」,および「保護者と目を合わさず,おどおどする」であった。
3.表現が不適切であると指摘された質問項目は,「時々嘘をつく」,「友達をいじめる」,および「集団になじめないところがある」であった。
今後は,上記の質問項目を除いた質問項目からなる質問紙を作成し,実際に児童を対象とした調査を行い,要保護児童のスクリーニング指標としての有効性について検証する必要があると考えられる。