小児歯科学雑誌
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原著
唇顎(口蓋)裂患者に対する手術前鼻歯槽形態誘導治療についての保護者アンケート調査
成瀬 正啓佐々木 康成小川 綾野小林 眞司
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2019 年 57 巻 1 号 p. 37-44

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抄録

唇顎(口蓋裂)患児において,手術前鼻歯槽形態誘導(PNAM)治療は,鼻歯槽口蓋形態の成長誘導と哺乳に重要な役割を果たす。本治療において,親の協力は不可欠であり,患児とその親のストレスを配慮すべきである。PNAM 治療における保護者の評価を調査することを目的として,当センター歯科にて2011 年4 月から2017 年12 月の間にPNAM 治療が終了し,裂閉鎖手術が行われた患児の親に対してPNAM 治療に関するアンケート調査を行ない,以下の結果を得た。

1 .PNAM 治療は口唇形成術までの比較的長期間において,患児と親の生活に導入することができた。

2 .親の中には(43.3%),治療を中断したいと思ったことがあると回答した場合があったが,PNAM 治療中のトラブルとの明らかな関連は見られなかった。

3 .多くの親(89.0%)は,医療用テープによる皮膚トラブル(71.7%)を含む,PNAM 装置使用によるトラブルを経験した。

4 .PNAM 治療の結果に関して,ほとんどの親(96.7%)は,「よかった」または「どちらかといえばよかった」と回答しており,高い評価を得た。

以上の結果より,PNAM 治療は唇顎(口蓋)裂患児の親に概ね受け入れられていたことが示された。一方,PNAM 治療によりトラブルが生じ,その予防法に関して改善の余地があることも示された。我々はこれらのトラブルに対する援助法を改良していくつもりである。

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© 2019 日本小児歯科学会
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