小児歯科学雑誌
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原著
未就学児の齲蝕重症度に関する研究
秋友 達哉浅尾 友里愛岩本 優子中野 将志渡辺 聖子達川 伸行光畑 智恵子香西 克之
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キーワード: 初診患者, 齲蝕, 小児歯科
ジャーナル 認証あり

2020 年 58 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

第三次医療機関における乳歯齲蝕罹患状態を分析することを目的として,2018年度に齲蝕治療を主訴に本院小児歯科(以下:当科)を初診来院した未就学齲蝕有病児118名を調査し,以下のような結果を得た。

1.患児は男児61名,女児57名と男女比は約1:1であった。年齢別では5歳児が32名(27.1%)と最も多かった。最年少は1歳4か月,最年長は6歳10か月,平均年齢は4歳4か月だった。

2.歯種別齲蝕罹患状態を分析すると,乳臼歯の齲蝕罹患率が高く,下顎前歯部は顕著に健全歯の割合が高かった。上下顎乳臼歯で比較すると,下顎のほうが齲蝕を多く認め,重症度も高かった。

3.患児1人あたりのdmf歯数は8.8本であった(dmfにおけるdはC2以上とした。)。

4.「乳歯齲蝕の重症度分類」によって患児を分類したところ,Ⅲ度【C3を有しており,3ブロック以上にC2以上の齲蝕を認める】が38名(32.2%)と最多であった。

5.「重度」と定義したⅢ度以上と分類されたものが72名(61.0%)であり,患児の半数以上が【3ブロック以上にC3を含む複数の齲蝕を有している】もしくは【C4または齲蝕による早期喪失歯を有している】状態であった。

6.歯口清掃習慣について調査すると,デンタルフロスの使用有無と齲蝕重症度に有意差を認めた(p<0.05)。

7.患児の飲み物・間食について調査したところ,「ジュース」・「乳酸菌飲料」・「チョコレート」・「キャンディ」が多く,全体として齲蝕リスクの高いものを摂取していた。

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© 2020 日本小児歯科学会
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