2022 年 60 巻 2 号 p. 54-61
操作性の異なる3種類の修復材料(ローフロー,ゼロフローおよびペースト)を,乳前歯と乳臼歯合わせて249窩洞に充塡し,その評価を6か月後と1年後に行った。3種類のキッズレジンの臨床成績は,以下のような結果であった。
①乳前歯において臨床的に予後良好と判断した割合は,6か月後および1年後において96%以上であり,キッズレジン間で大きな違いはみられなかった。
②乳臼歯において臨床的に予後良好と判断した割合は,6か月後および1年後において約90%以上であり,キッズレジン間で大きな違いはみられなかった。
③窩洞形態別の予後評価においては,乳前歯のⅢ級,Ⅳ級ならびに,Ⅴ級窩洞で予後に大きな違いはみられなかったが,乳臼歯ではⅠ級およびⅤ級窩洞に比べてⅡ級窩洞では低い値を示した。
これらの結果から,3種類のキッズレジンが乳歯用の修復材料として,臨床的に有用であることが示唆された。