小児歯科学雑誌
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原著
当院小児歯科外来における抗菌薬処方傾向に対する抗菌薬薬剤耐性(AMR)対策の効果
中嶋 真理子森田 浩光鳥巣 浩幸岡田 賢司小島 寛岡 暁子
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2022 年 60 巻 3 号 p. 108-115

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抄録

本邦での抗菌薬薬剤耐性(Antimicrobial Resistance;AMR)対策の推進のためのアクションプランが発表されたことを受け,当院においても2016年よりAMR対策に取り組んでいる。そこで小児歯科外来(以下,小児歯科)における経口抗菌薬使用について経年的な変化を調査した。データの標準化には,外来患者1日・1,000人あたりの抗菌薬使用密度(Daily Outpatients Dose;DOD)を用いた。さらに,小児科外来(以下,小児科)との比較も行い,抗菌薬使期間(Days of Therapy;DOT)も指標として用いた。

抗菌薬処方は,AMR対策前は第2・3世代セファロスポリン系が全体の95%以上であったが,対策後は減少に転じ,2019年以降はペニシリン系が95%以上であった。各年度のDOD値も減少傾向をみせ,2021年度は最も低い値を示した。

DOD,DOTの2種の指標を用いた小児科との比較では,抗菌薬種類の割合において,小児歯科からの処方では2つの指標が示す傾向に大きな違いを認めないが,小児科では異なる傾向となることがわかった。これは,小児歯科では処方日数などが画一的に決定されていることに起因すると考えられた。

今回の調査によって医療従事者へのAMR対策教育の効果を確認することができた。更なる抗菌薬の適正使用を推進するためには,継続して定期的にAMR対策教育を続けていく必要がある。

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© 2022 日本小児歯科学会
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