抄録
上下顎第1・2乳臼歯部抜去歯の各歯平滑面における齲蝕の初発部位を調べるため,6歳から14歳までのD:98歯,E:103歯,D:67歯,E:73歯,合計341歯を用いた。
計測は(1)齲蝕の中心から解剖学的歯頸線までの距離を歯冠軸に沿って計測した。(2)齲蝕の中心から近心面あるいは頬側面の最大豊隆部までの距離についても計測を行なった。結果:
1)解剖学的歯頸線からの齲蝕初発部位は各歯種各平滑面において1.75-2.97mmの位置であった。
2)頬側面あるいは近心面最大豊隆部からの齲蝕初発部位は各歯種各平滑面において3.06-5.97mmの位置であった。
3)上顎第1・2乳臼歯隣接面における齲蝕初発部位の差は歯冠軸的に0.72mm,頬舌的に0.74mmであった。
4) 下顎第1・2 乳臼歯隣接面における齲蝕初発部位の差は歯冠軸的に0.62 mm , 頬舌的に0.82mmであった。