小児歯科学雑誌
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心身障害児の歯科治療の検討
第2報定期検査の実態
岡本 潤子天野 秀昭三浦 一生長坂 信夫
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キーワード: 障害児, 定期検診, 健康管理
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1982 年 20 巻 1 号 p. 176-183

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抄録
近年,心身障害児の歯科治療が徐々に行われ,障害児の口腔健康管理の重要性が各方面で議論されて来ている.今回,我々は本学小児歯科外来における定期検査の実態と口腔管理状況を調査検討した.
対象は本学小児歯科で治療後,定期検査に移行した3歳から6歳までの障害児200名(男児120名,女児80名)であり,年齢別,障害別に分類した.検討に際しては,治療後の管理効果を判定基準に硬組織疾患の変動をもちい,定期検査毎に行った.
定期検査の受診率は6ヵ月間隔で4回調査した結果,各回とも90%以上であった.1人平均齲蝕発生本数は定期検査1回目2.38本, 2回目1.28本と2回目以降減少を認めた.
処置内容としては1回目ではAg(NH3)2F処置,修復処置が同率を示したが,2回目以降では,修復処置が多くなる傾向にあった.
処置の予後の検討においては,要再処置率は乳歯冠修復歯が21.9%と1番低く,その他においては約40%の処置を要した.その再処置内容としては,健全歯からAg(NH3)2F処置に移行した以外は,同じ処置で再治療を行ったものを多く認めた.
年齢別,障害別からは大きな相違は認められなかった.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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