小児歯科学雑誌
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先天性表皮水疱症の一症例の歯科的所見
河野 美砂子高橋 幸江野田 忠
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1983 年 21 巻 1 号 p. 140-146

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抄録

比較的軽微な機械的刺激により,皮膚あるいは粘膜に水疱を生ずる先天性表皮水疱症は,稀な遺伝性疾患であり,その病型は多様である。中でも,皮膚及び粘膜に水疱を形成し,瘢痕治癒する型は歯科的な問題を含む。
著者らは,新潟大学歯学部附属病院小児歯科外来で,常染色体性劣性栄養障害型表皮水疱症の6歳の男児を観察し,治療する機会を得て,次のような所見を認めたのでここに報告する。
1)全身的発育成長は遅延し,貧血も伴っていた。
2)頭蓋骨の大泉門付近に骨化の遅延が認められた。
3)上顎,下顎ともに発育が劣っている。
4)高度の齲蝕罹患傾向を示している。
5)乳歯,永久歯ともに歯の萌出遅延は認められず,永久歯の発育にも異常はない。
6)永久歯におけるエナメル質の形成不全は認められなかった。
7)口腔前庭は浅く,口蓋皺壁は消失していた。
8)舌の口腔底への癒着及び運動障害が認められた。
9)2%キシロカイン(約1/10万エピレナミン入)の局所麻酔による異常は認められなかった。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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