小児歯科学雑誌
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処置内容から見た乳歯齲蝕の罹患状態について
小林 秀樹田村 章子河野 美砂子山口 政彦野田 忠
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1983 年 21 巻 1 号 p. 147-151

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抄録
小児歯科外来を訪れている小児が,どのような処置を必要とする齲蝕罹患の状態にあるかを知るため,来院患児の齲蝕の処置内容について調査し,検討を加えた。
昭和54年9月4日より,昭和56年8月6日までの約2年間に新潟大学歯学部小児歯科外来を訪れた2000名の小児のうち,Hellmanの歯年齢IIAのもの635人について調査を行ない,検討を加えたところ,次のような結果を得た。
1)上顎乳前歯部において,低年齢から抜歯および歯髄処置など高度な歯科的治療を必要とするものが多かった。
2)上下顎乳臼歯部で,低年齢において齲蝕処置の必要のある歯が多かった。
3)上下顎乳臼歯部を比較すると,歯髄処置および抜歯において下顎乳臼歯部の方が高い割合を占めていた。
4)乳犬歯部については,処置の必要のある歯の割合が少なく,修復処置だけのものが多かった。
5)各処置内容に左右差はなかった。
6)個々の歯の修復処置および歯髄処置の占める割合は,増齢的に大きな変化がみられなかった。
7)抜歯は,上顎では第1乳臼歯が第2乳臼歯に比べて圧倒的に増齢的な増加がみられるが,下顎では第1,第2乳臼歯とも高い増加傾向を示していた。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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