小児歯科学雑誌
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顔面写真による小児の成長発育に関する研究
1.撮影法と基準について
峰松 小百合坂井 右子白川 美穂子笹野 雪子三浦 一生長坂 信夫
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1983 年 21 巻 2 号 p. 234-241

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抄録
本研究は顔面頭蓋の成長発育を一定期間毎に観察する目的から,顔面写真をとりあげ,インスタントカメラを用いた独自の顔面規格写真装置を考案し,今回は,本装置を用い生体上の計測点が顔面写真上で再現可能かを検討した。
試作した装置は頭部固定装置にポラロイド社製cu-5接写カメラを右側眼窩点orまでの距離を1/2縮少撮影距離31.4cmとして連結し,orを中心に回転できるようにした。方法としては,円形の鉛箔をgl,n,or,sn,sml,pog,go,porの8点に貼付し,顔面写真と対照として側方頭部X線規格写真を撮影し,鉛箔の中心点をトレースした。その各々の計測点を2つの基準点por,orからの距離,角度により計測し,両者のバラツキ方の差の小さいものを再現があると判定し,バラツキ方を変異係数で検討した。その結果,顔面写真が0゜ ではorを基準点とした方が全体的に再現の傾向がみられたが,距離においてsn,sml,por,角度においてgl,n,snに変異係数の差が大きく認められた。に検討した計測点を明瞭に読影するためカメラをorを中心に10゜,20゜,30゜ 回転させ撮影し同様が,距離においてはgl,n,pogで顔面写真0゜ が最も変異係数の差が小さく,他点は10゜において差が小さかった。また,角度については全点とも20゜ において差が小さく,最も再現性のある傾向を認めた。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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