抄録
長期間にわたる副腎皮質ステロイド剤投与の副作用のなかで,moon faceは著明かつ高頻度に現われる軽度な副作用の1つである。「副ス療法」加療中のネフローゼ症候群の患児で,moon faceの観察された9名のうち療法中止によりmoon faceの消退した5名を対象とした。moon faceとその消退時の顔面モアレ写真(正貌)を撮影し三次元的に分析した。
1) moon faceに特徴的なモアレ縞パターンを検出した。「鼻根パターン」と「頬部同心円パターン」で,「鼻根パターン」はmoon face出現群では頬部に大きく広がり,moon face消退群では鼻背に沿って下降した。一方,「頬部同心円パターン」はmoonface出現群のみに観察された。
2) Moon Face Index (MFI)はmoon faceの状態を評価するのに有用な指数で,moon face出現群では1より大きく,moon face消退群では1より小さかった。
3) 満月様顔貌消退率(MFDR)は,顔貌の円形化の部位とその程度を数値化した。すなわち,MFDRは中顔面の鼻下点面で最大で39.99,上顔面と中顔面の境界にある鼻根点と下顔面の願最突出点を通す基準面では小さく9.62,6.61であった。