8歳~14歳の血友病Aの患児18名(第VIII因子2%未満)およびその母親のためのサマーキャンプに参加する機会を得,問診アンケート調査,口腔検診,予防指導,討論会を通じて,患児の日常生活,特に歯科的実情を調べた。口腔検診により,患児の多くは,唾液潜血反応が陽性の者で,第VIII因子製剤の投与により出血管理はなされているものの,歯肉出血の危険性が示唆された。また,問診により患児の半数以上は,特に歯牙交換期に出血を経験していたが,その管理は歯科医ではなく,医師に任されていた。齲蝕あるいは歯周疾患予防のためのプラークコソトロール,食事指導は健常児の場合と全く同じ内容で良いと思われたが,治療の際の困難性を考えると,健常児以上の徹底した予防の実践が必要と思われた。