小児歯科学雑誌
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Complex Odontomaの1例
今浪 加寿栄木村 光孝内上堀 征人松山 道孝長谷川 喬住本 和隆新城 啓和
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1983 年 21 巻 2 号 p. 251-258

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抄録
1の萌出遅延を主訴として来院した15歳の男子に発生したodontomaに遭遇した。口腔内はHellman's dental age IV A期にあり,1のみ未萌出であった。1相当歯槽部には骨様硬の膨隆が認められたが,炎症所見は認められなかった。X線診査により,1相当歯槽部においてX線不透過性の塊状物を認め,その塊状物によって1は萌出を妨げられ埋伏していた。1の歯根の発育はみられたが根尖は開大していた。局所麻酔下に腫瘍を摘出し病理組織学的検索および電子顕微鏡学的検索を行なった結果,com-Plex odontomaと診断した。odontoma摘出後埋伏していた1を正しい位置に誘導し,結紮線と即時重合レジンによって固定を行なった。固定後2年6ヵ月経過しているが現在まで予後は良好である。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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