抄録
頭部X線規格写真は,小児歯科の臨床で用いられている臨床検査の一つであるが,X線の被曝,撮影の場所の制限などが問題になる。そこで頭部X線規格写真に代わるものとして,臨床で簡単に撮影でき,かつ安価な顔面規格写真撮影装置と規格写真投影装置を当教室で考案した。これらを用いて得られた透写図が,臨床検査の一つとして利用しえるかどうかを比較検討した。その結果,
1.側貌頭部X線規格写真と5度斜位頭部X線規格写真の各計測点の一致性の検定から,軟組織上の計測点PnとFhを計測基準点としても,軟組織および硬組織上の計測点でも一致する計測点の数が同じであることがわかった。
2.左の5度斜位顔面規格写真の軟組織上の計測点と側貌頭部X線規格写真の軟組織上の計測点との一致性が高く,側貌頭部X線規格写真に代用しえることがわかった。
3.その結果,左の5度斜位顔面規格写真から硬組織上の計測点を予測しえる可能性が高いことがわかった。
4,左の5度斜位顔面規格写真と側貌頭部X線規格写真との間で一致性のある点は,Fh,No,Pn,Ul,Chの各計測点で一致性の認められなかった計測点はSbn,Ls,Ll,Scの各計測点であった。
5.一致性の認められなかった計測点でも左の5度斜位顔面規格写真の方が側貌頭部X線規格写真よりも再現性の高いことがわかった。