小児歯科学雑誌
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歯科初診時の小児の適応性に関する研究
第2報 適応・不適応を外部基準とした数量化II類による分析
横井 勝美山内 哲哉山田 ゆかり土屋 友幸黒須 一夫
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1983 年 21 巻 3 号 p. 318-328

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抄録
歯科初診時における小児の適応性に影響する要因のトータルパターンを検索するために本学小児歯科外来を受診した3歳から12歳までの男女児102名,およびその両親204名,総計306名の調査資料をもとに分析した。
分析した要因は,父親の養育態度8項目,母親の養育態度8項目,小児の性格10項目,ならびに質問調査6項目の総計32項目である。これらの要因の分析は,適応・不適応を外部基準とした数量化II類による多変量解析を行なった。
結果を要約すると次のようであった。
1.適応・不適応の外部基準の判別効率を示す相関比は,0.66と高い値であった。
2.適応児に影響している要因としては,次のものが抽出された。
1)父親の養育態度では,「強い積極的拒否傾向」
2)母親の養育態度では,「弱い不安傾向」
3)小児の性格特性では,「社会性あり」,「家庭への不適応傾向」,「攻撃・衝動的傾向なし(温和・理性的)」
3.上記の各要因を,偏相関係数と数量化得点の範囲から求めた効力順にみると,「小児の社会性」,「小児の家庭への不適応」,「父親の積極的拒否型の態度」,「小児の温和・理性的」,「母親の低不安型の態度」の順であった。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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