小児歯科学雑誌
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健全ならびに齲蝕下乳歯象牙質面に対する酸処理効果
走査電子顕微鏡による観察
細矢 由美子後藤 讓治
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1983 年 21 巻 3 号 p. 441-451

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抄録
健全並びに齲蝕下乳歯象牙質に対するエッチング材の酸処理効果を観察する事を目的に本研究を行った。
資料としては,交換期に達し,抜去もしくは自然脱落した乳歯を使用した。健全乳歯については,エアータービンに装着したダイヤモンドバーで乾燥下に窩洞形成を行い,齲蝕症第2度の乳歯については,電気エンジンに装着したラウンドバーとスプーンエキスカベーターとで軟化象牙質を完全に除去した。エッチング材は,Adaptic, Silar, Clearfil付属のものを使用し,酸処理時間は1分とした。これらの象牙質面をSEMで観察した。
その結果,窩洞形成後酸処理を行った健全乳歯象牙質面については,すべての症例で,象牙細管が開いている状態が確認された。しかし,酸処理後においても,1部の象牙細管がsmear layerで閉鎖されている症例も認められた。
軟化象牙質除去後に酸処理を行った場合の齲蝕下乳歯象牙質面では,すベての症例で象牙細管が一応開いた状態が認められた。しかし,健全乳歯と比較すると,酸処理効果は低く,酸処理後も一部の象牙細管がsmear layerで閉鎖されている症例が多かった。また,酸処理により拡大された部分の象牙細管中に,棒状,管状および結晶状の構造物が認められた症例が観察された
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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