小児歯科学雑誌
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Diphenylhydantoin療法の幼児歯肉組織へ及ぼす影響に関する臨床的研究
武田 康男井上 龍彦
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1983 年 21 巻 3 号 p. 457-462

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抄録
本研究はDPH長期服用が幼児歯肉組織に及ぼす影響を臨床的に検索することを目的とした。対象としたのはDPH服用児18名と正常児20名の合計38名で,全員臨床的健康歯肉を持つ12ヵ月から51.5ヵ月までの幼児である。歯肉臨床的所見(gingival bleedingindex),Plaque index,pocket depth血漿中濃度,服用期間,服用量(pro.Kg)について検討した。
Plaque indexは,DPH服用群が対照群よりも高く,pocket depth は,DPH服用群が対照群よりも深くなることが認められた。とくに臼歯部のpocket Pepthが著しく深い傾向がみられたgingival bleeding indexが高い値を示したのは,ほぼDPH服用群であった。Poket depth とDPH服用期間,服用量(pro.Kg),血漿中濃度の間には相関関係はほとんど認められず,直接的な関連性は得られなかった。
以上の結果から充分な清掃を行った臨床的健康歯肉においても,DPH服用群にはpocketdepthが深くなることが認められplaque controlが効果的になされないことが明らかとなった。出血傾向も服用群は対照群にくらべて著明で,症例によっては歯肉切除の適応となることも考えられる。
DPH服用児の歯肉肥大に対しては,長期にわたる展望を持ってコントロールを行う必要があると考える。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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