小児歯科学雑誌
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ヌードマウスにおける齲蝕罹患とその免疫グロブリンの定量
栗原 洋一大林 克行赤羽 康彦平澤 正知
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1983 年 21 巻 3 号 p. 463-467

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抄録
マウスおよびヌードマウスを用いて実験齲蝕が胸腺の有無により動物の生体にどのような反応を起こすかについて検索した。供試マウスの口腔常在菌叢を抗生剤前処理により抑制したのち,Streptococcus mutans PS-14および6715を接種し,Diet 2000を与え105日間飼育した。そして麻酔後心穿刺により血液を採取し,血清に分離したのち血清中の免疫グロブリンをSRID法により測定した。その結果血清中のIgG,IgA,IgMの感染群の値は非感染対照群に比較し,普通マウス,ヌードマウスとも大きな変化はみられなかった。なおヌードマウスについてはとくに屠殺後歯垢中のS.mutansを定量的に培養,集落数より感染菌数を算定し,さらに齲蝕スコアを算出したが,ヌードマウスで齲蝕は顕著に誘発され,齲蝕スコアの血清型間における差異はみられず,屠殺時の感染菌数においても血清型間に大きな差異はみられなかつた。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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