抄録
Silver-Russell Syndromeは,原発性の小人症であり,歯科領域においては発育不全からくる咬合異常あるいは重症齲蝕などの問題が報告されている。
著者らは,鹿児島大学歯学部附属病院小児歯科外来(症例1),又,慶応義塾大学医学部歯科口腔外科外来(症例2)を訪れ,Silver-Russell Syndromeと診断された女児2名について,口腔領域の診査に基づく発育変化ならびに歯科的所見を報告する。
1)手根骨部の発育評価において,いわゆるcatch up growth現象が認められた。
2)顎骨の発育不全ならびに上下顎の発育の不調和からくる咬合異常がSilver-Russell Syndromeの歯科的特徴として示された。
3)齲蝕罹患については,一般健常児と同様に食生活の問題によって重症化していることが示唆されたことから,歯科的な定期管理が必要であると思われた。
4)咀嚼筋機能については,本症としての特性を見い出すことはできなかった。