抄録
齲窩の客観的診断法の1つとして,電気抵抗値を応用したカリエスメーターがある。1967年に鈴木らがその有効性を発表して以来改良が重ねられ,抵抗値の表示がアナログ式からデジタル式へと発展し,最近では点灯するランプの色によって齲蝕の進行程度を判定する,ランプ指示式カリエスメーターが開発されている。
今回,このランプ指示式カリエスメーターの小児患者における臨床的実用性を評価する目的として,従来のアナログ式カリエスメーターにより得られた電気抵抗値と,同一条件下で得られたランプ指示式カリエスメーターのランプの色との比較検討を行った。その結果,ランプ表示と電気抵抗値の実測値との対応関係が高いことが,明らかにされた。この装置が軽量小型化されているため操作性が良いことから考えると,ランプ指示式カリエスメーターの臨床的実用性は高いものと思われた。