小児歯科学雑誌
Online ISSN : 2186-5078
Print ISSN : 0583-1199
ISSN-L : 0583-1199
高松市歯科救急医療センターに来所した心身障害児の実態調査
邊見 千香今西 秀明西野 瑞穂
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 21 巻 4 号 p. 642-650

詳細
抄録

今日,心身障害児の口腔衛生管理の問題は大きな課題となっている。今回われわれは,心身障害児の口腔衛生管理について,よりよい方法を探る目的で,高松市歯科救急医療センターに来所した障害児の実態を調査分析し,検討を行った。
対象は,4歳から17歳までの障害児95名で,障害別にMR単群,CP群,ダウン群,自閉傾向群,てんかん群,その他群の6群に分類した。
齲蝕罹患者率は94.3%で,一般児と大差はなく,罹患歯率は28.5%で,一般児より低い値であった。
処置内容は,Ag(NH3)2F塗布,複合レジン充填が高い値を示した。
1人平均来所回数は,MR単群7.3回,自閉傾向群6.7回と多く,普通処置可能までの1人平均来所回数はMR単群2.1回で一番多く,てんかん群1.3回で一番少なかった。1人平均リコール回数は平均0.7回であった。リコール時処置内容は,ブラッシング指導およびフッ化物塗布が多いが,充填処置や歯内療法も行っていた。
初診時アンケート調査結果より7割が歯の問題で悩み,5割が歯科受診経験をもち,うち半数は治療ができている。75.8%は歯みがきを行い,殆んどが,普通の硬さの食事をし,6割が規則的な間食をとっていた。12.6%のものが歯軋りの癖をもっていた。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本小児歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top