小児歯科学雑誌
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GK-101による小窩裂溝清掃に関する基礎的研究
竹内 京子
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1983 年 21 巻 4 号 p. 768-783

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抄録
小窩裂溝〓塞材(以下,シーラントと略す)を,初期小窩裂溝齲蝕罹患歯の齲蝕進行抑制手段として応用する際の裂溝内清掃手段として開発した,GK-101液とスクラッチポイントによる清掃の効果について,小窩裂溝内容物および裂溝内歯表面を対象に抜去歯を用いて検討した。すなわち,清掃後の小窩裂溝内容物の残留量から清掃効果を判定し,さらに,シーラント浸入度についても判定を行つた。また,この清掃手段が小窩裂溝内歯表面の酸処理効果におよぼす影響を知るために,小窩裂溝内歯表面に形成された,シーラントタグの状態を,走査電子顕微鏡により観察した。
本研究の結果,GK-101液とスクラッチポイントによる清掃は裂溝内容物を除去すること,また清掃後〓塞されたシーラントは,裂溝深部まで浸入すること,および,裂溝内歯表面に良好なシーラントタグを形成することが明らかとなつた。すなわち,シーラント〓塞に先だつて行なうGK-101液とスクラヅチポイントによる清掃は,裂溝内容物の除去と裂溝内歯表面の酸処理を効果的に行なうことを可能とし,シーラントのより確実な保持を可能にすると考えられた。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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