小児歯科学雑誌
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1歳6ヵ月児歯科健診に関する研究
1歳6ヵ月児保育環境の地域特性と将来の齲蝕罹患状況との関係
三好 鈴代海野 一則西野 瑞穂
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1984 年 22 巻 1 号 p. 307-320

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抄録

1歳6ヵ月児の保育環境の地域特性を知る目的で,1歳6ヵ月児歯科健康診査を受診した小児,茨木210名,徳島340名,横須賀288名の母親に対して行ったアンケート調査結果を集計し,次に1歳6ヵ月時の保育環境と2歳6ヵ月,3歳,3歳6ヵ月時の齲蝕罹患状況との関係を知る目的で,1歳6ヵ月から6ヵ月ごとに3歳6ヵ月まで計5回の検診を全て受診した小児,茨木33名,徳島130名,横須賀193名についてアンケート調査および口腔検診結果を集計した.
その結果,1歳6ヵ月時の保育環境のうち,第何子であるかは2歳6ヵ月時の齲蝕罹患状況に,家族数,昼の養育者,離乳完了の有無,歯磨きを誰がするか,間食時間の規則性,間食回数の6項目は3歳,3歳6ヵ月時の齲蝕罹患状況に関係があった.そして,これら第何子を除く6項目全てについて,徳島は横須賀,茨木に比較して齲蝕誘発性の選択枝に対する解答率が高く,徳島地区は幼児の齲蝕発生という面からはきわめて危険性の高い保育環境であることが明らかになった.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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