小児歯科学雑誌
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Balb/cマウスのStreptococcus mutans各血清型菌に対する齲蝕感受性
大林 克行
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1984 年 22 巻 1 号 p. 87-95

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抄録
マウスの齲蝕実験動物としての可能性を追求するため,Balb/cマウスを用いてS.mutans c,d,g型菌に対する齲蝕感受性について検討を行った.抗生剤で口腔常在菌叢を抑制した生後25日齢のBalb/cマウスに血清型の異なるS.mutansを接種し,119日齢に屠殺後,それらの齲蝕の状態について観察した.齲蝕の評価はKeyes(1958)の齲蝕評価を改変して用いた.Balb/cマウスのS.mutans c,d,g型菌に対する齲蝕感受性は,c型菌がもっとも高く,齲蝕スコアにおいて個体間の変動は少なく,再現性のある齲蝕活性が得られた.マウスの下顎第1臼歯近心舌側面には明瞭な凹窩が認められ,この部位が裂溝のみならず齲蝕の好発部位となっていた.このようにマウスはヒトからもっとも多く検出されるS.mutans血清型c型菌に齲蝕感受性が高かったことは齲蝕研究の実験動物として実用に値することが示唆された.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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