小児歯科学雑誌
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肢体不自由児施設・岐阜県立希望が丘学園内歯科診療室における5年間の歯科治療実態調査
山口 和史田村 康夫杉本 光庸徐 成徳辻 甫棚瀬 精三飯沼 光生上浦 美智子堰口 宗重前田 光宣吉田 定宏
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1984 年 22 巻 2 号 p. 514-521

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抄録

肢体不自由児施設内での歯科治療の実態を把握し,今後の心身障害児の歯科治療と口腔衛生管理のあり方について検討する目的で,5年間にわたる肢体不自児施設岐阜県立希望が丘学園内診療室での処置内容,定期検診の状況などについて調査集計し,検討を行った.対象は,歯科治療および定期検診のために受診した4歳から19歳の園児実人数168名,延人数479名である.
病類別患者分布は,脳性麻痺児が各年度を通して約80%を占めていた.
1人平均処置歯数は,53年度が4.1歯であったのが54年より減少し,57年度には2.6歯であった.処置内容は,乳歯では53年度で抜歯が50.9%と最も高い値を示したが,54年度以降は修復処置と齲蝕抑制処置が多くなってきた.修復処置はアマルガム充填と既製冠によるものが殆んどであった.永久歯ではアマルガム充填が大部分を占めていた.
歯内療法処置については,乳歯では生活歯髄切断が大部分を占め,永久歯では感染根管処置が多かった.
定期検診のみの人数と回数も徐々に多くなり,1人平均検診回数は,53年度で0.4回なのが治療が進むにつれて57年度には2.2回となった.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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