小児歯科学雑誌
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幼児期に発現した粘液嚢胞の1例
鬼塚 一徳原田 和已渡辺 尚海中尾 利夫内野 公一木村 光孝
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キーワード: 粘液嚢胞, 全摘出, 導管破裂
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1985 年 23 巻 3 号 p. 733-739

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抄録

著者らは, 1 歳6 カ月女児に発現した粘液嚢胞に遭遇し, 全摘出後, 経過観察を行ない,摘出物については神経組織学的検索を行なった。一般組織所見において,嚢胞壁は結合組織の軽度の増殖を伴う肉芽組織であり,導管の破裂ならびに一部に小嚢胞化を呈する所見が認められた。嚢胞内部には,粘液性物質,多数の形質細胞,マクロファージを貯留していた。これらの所見は,本症例がmucous extravasation typeであることを示していた。神経組織所見においては,粘液嚢胞成立との直接的因果関係は見出せなかったものの,変性に陥りながらも今だ好銀性を保っている神経線維が散見された。
以上の組織所見ならびに臨床所見について文献的考察を行なった結果,本症例の発生原因として,乳前歯の萌出に伴う慢性刺激が推察された。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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