小児歯科学雑誌
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笑気吸入鎮静法時における臨床的鎮静徴候の経時変化
脳波,眼球運動,筋電図,呼吸曲線を指標として
中島 一郎高須賀 三郎酒井 貫充岩田 夏彦広瀬 由治大西 敏雄高梨 登武井 謙司前田 隆秀赤坂 守人
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1986 年 24 巻 3 号 p. 468-474

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抄録

歯科臨床において笑気吸入鎮静法を用いた際の患者の鎮静徴候を,ポリグラフとして記録し,かつ定量的分析を試みる事を目的とし,その臨床応用前に,8人の健康成人男子を対象として30%笑気70%酸素ガスを吸入させ予備的に分析,検討した。今回は脳波,眼球運動,筋電図,呼吸曲線の4指標について行った。その結果は以下の通りであった。
1)脳波は前頭部から導出し,フーリエ変換によりパワーの百分率として分析した。笑気吸入9分内に一過性に有意な変動を認めた。
2)眼球運動は水平方向の運動を導出し,その出現個数を算出した。笑気吸入3分から9分にかけ,また,25分から30分にかけ有意に減少した。
3)筋電図は,オトガイ筋電図を用い積分値として評価した。笑気吸入10分以降は安定していた。
4)呼吸曲線は,呼吸数として算出した。笑気吸入中は,比較的安定していた。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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