小児歯科学雑誌
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歯冠周囲線維性結合組織の過形成により上下顎の左右第二大臼歯の埋伏をきたした一症例
武田 泰典黒田 政文八幡 ちか子甘利 英一
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1986 年 24 巻 4 号 p. 777-780

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抄録
歯冠周囲線維性結合組織の過形成により上下顎の左右第二大臼歯の埋伏をきたした一症例を報告した。患者は15歳の男子で,X線的には上下顎の左右第二大臼歯部は濾胞性歯嚢胞(含歯性嚢胞)様の所見を呈したが,手術時,X線透過巣に相当する部分は灰白色の軟組織に満たされていた。この軟組織は病理組織学的には主として膠原線維からなる密で不規則な構築の成熟した線維性結合組織の増生よりなっていた。また,この中には退化歯堤と思われる歯原上皮の小塊が散見された。以上の様な歯冠周囲線維性結合組織の過形成をきたす要因について2,3の考察を加えたが,結論を得るにはいたらなかった。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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