小児歯科学雑誌
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Rubinstein-Taybi症候群小児の歯科的所見について
生野 伸一篠田 圭司小泉 達哉藤居 明範伊藤 裕一郎祖父江 英侍田村 康夫近藤 富雄
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1987 年 25 巻 1 号 p. 148-155

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抄録
Rubinstein-Taybi症候群をま手足第一指の幅広い末節,特徴的な顔貌,精神発達遅延,反複する呼吸器感染などを伴った疾患であり,口腔周囲の諸形態についても種々の異常が報告されている。
今回著者らは,Rubinstein-Taybi症候群と診断された4歳男児を診査し,歯科的分析を行った結果,以下のような所見を得た。
1)患児は本症候群の主症状・徴候を満たしていた。
2)歯科的特徴として乳歯萌出遅延,永久歯との交換遅延傾向,小顎症,歯列弓形態異常,交叉咬合,口蓋形態異常,口蓋垂裂が認められた。
3)歯列弓は上下顎共にV字歯弓で前歯部に叢生がみられたが,齲蝕や歯肉炎は認められなかった。
4)口蓋は全体に浅く,正中口蓋縫合部が逆V字型に窪んでいた。
5)レントゲン診査では,トルコ鞍の拡大,手根骨の低石灰化,栂指末節骨の肥大がみられた。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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