小児歯科学雑誌
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乳歯平滑面に対する各種清掃研磨効果
細矢 由美子後藤 讓治
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1987 年 25 巻 2 号 p. 378-388

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抄録
各種清掃研磨法による平滑面に対する清掃研磨効果について,SEMによる観察を行い,下記の結論を得た。
1.歯面清掃研磨機の使用は,エナメル質の清掃研磨に大変優れており,特にProphy Jetの使用は,今回使用した各種清掃研磨法中,最良の清掃研磨効果を示した。しかしながら,歯面清掃研磨機Quick Jet使用例については,多くの症例で歯面が1層切削されたような像が観察された。
2.ブラシコーンと清掃研磨材を併用した場合では,プロフィーペースト・レッドとプロフィーペースト・イエローが良好な結果を示した。しかしながら,浮石末泥使用後のエナメル質面には深いキズが多量に形成されたため,本材は歯面の清掃研磨材として用いるべきではない。同様に,ネオポリシングペースト,プロフィーペースト・ブルー及びプロフィーペースト・グリーンもエナメル質表面の清掃研磨材としては不適当であった。
3.ブラシコーンもしくはポリシングブラシのみの使用では,清掃研磨後の歯面に有機性被膜などが残存する確立が高かった。
4.10%次亜塩素酸ナトリウム30秒間塗布による清掃効果は,最も低かった。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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