小児歯科学雑誌
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乳歯歯冠色に関する研究(III)
細矢 由美子古豊 史子後藤 讓治
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1988 年 26 巻 1 号 p. 80-88

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抄録

村上色彩技術研究所製ライトガイド方式色差計CD-270型のライトガイドの受光部を乳前歯測色用に2mmφと小さくし,小面積の測色に適した円周照射零度受光の形式に変えた改良ライトガイド(CD-270改良型)を使用し,3歳から5歳2カ月(平均年齢3歳11カ月)の小児30名の正常乳前歯歯冠色の測色を行った.そして,村上色彩技術研究所製ライトガイド方式色差計CD-270型(CD-270型)及び日本電色社製Color and Color Difference Meter 1001 DP型(1001 DP型)の測色結果と比較し,下記の結論を得た.
1)正常乳前歯歯冠色の測色平均値は,色差計とライトガイドの種類により異なった傾向の数値を示した.
2)CD-270改良型使用時のa*b*の平均値は,1001DP型使用時の測色値同様,どの歯種も極めて0に近い低い値を示した.
3)しかし,CD-270型使用時のa*b*の平均値は,他の計測機使用時の測色値と異なった高い値を示した.
4)上顎乳中切歯の平均値に対する歯種別平均値のΔE*は,計測機による差が認められた.
5)刺激値直読式色差計の臨床的使用については,さらに基礎的な検討が必要である.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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