小児歯科学雑誌
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電気抵抗値の測定条件についての研究
田北 恵子下飛田 道子緒方 哲朗濱野 良彦中田 稔
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1988 年 26 巻 2 号 p. 391-398

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抄録

齲蝕等,歯質の実質欠損において,残存歯質の厚径を診断するために行われる電気抵抗値の測定に際し,測定値に影響を及ぼす種々の測定条件について,抜去乳前歯を用いて検討を行った.
測定条件として,2種の通電体(生理食塩水,歯磨剤),3種の形態の測定針(被覆なし鋭針,被覆あり鋭針,被覆あり平頭針)を用いた.対象窩洞は,歯髄との近接度により3群にわけ,繰り返し測定によるばらつきの比較,二元配置分散分析法による有意差の検定を行った.
その結果,歯髄腔に近接した窩洞においては,それぞれの要因による有意差が認められ,通電体としては生理食塩水がより高い値をとり,測定針としては,被覆あり鋭針が最も高い値をとり,次いで,被覆なし鋭針,被覆あり平頭針と低い値をとる傾向が認められた.その他の窩洞群では差は認められなかった.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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