小児歯科学雑誌
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Prader-Willi症候群の一例について
蕭 思郁深尾 正紅露 政利船越 禧征稗田 豊治
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1989 年 27 巻 3 号 p. 700-707

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抄録

Prader-Willi症候群は,新生児期から乳幼児期にかけて筋緊張の低下が著しく,哺乳障害,体重増加不良などを伴い,その後,幼児期からは過食,知能低下,外性器発育不全など多彩な症状を現わす症候群である。
今回,私たちはPrader-Willi症候群と診断された10歳5カ月女児の症例に遭遇し,精神発達遅延のため,協力性がえられず,全身麻酔下で歯科的処置を行い,次のような歯科的所見を得た。
1.エナメル質形成不全,上下顎前歯部に叢生ならびに歯列弓の狭窄が認められた。高口蓋は認めなかった。
2.歯冠近遠心幅径は,標準値に比較して小さい値を示した。
3.頭部エックス線規格写真の分析結果から,上下顎の発育不全が認められた。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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