小児歯科学雑誌
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新生児における上皮真珠の臨床的観察
第1報 出現頻度と経日変化
登内 喜美江太田 克枝富沢 美恵子野田 忠
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1990 年 28 巻 3 号 p. 786-797

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抄録
上皮真珠の多くは,乳歯萌出前までに退化消失するか,破れて剥落してしまうため,これまでに上皮真珠の頻度に関する報告は少ないようである.今回,著者らは,新生児を対象とした上皮真珠について観察し,その出現頻度・出現部位などについて検討を行った.
調査対象は,富山市内で1987年12月から1988年12月までの間に生まれた新生児517名(男児261名,女児256名)である.この対象児について,上皮真珠の有無を1~2週間の間隔で診査した.また,本学医学部附属病院産婦人科で21名の新生児について上皮真珠の経日的観察を行い,以下の結果を得た.
1.総新生児i数517名中,男児109名,女児117名,計226名(43.7%)に上皮真珠が認められ,このうち著明なものは13名(男児6名,女児7名),2.5%にすぎなかった.
2.部位別にみると,上顎前歯部歯槽堤116例(右側58例,左側58例),上顎臼歯部歯槽堤193例(右側97例,左側96例),口蓋正中部97例,下顎前歯部歯槽堤4例,下顎臼歯部歯槽堤16例(右側10例,左側6例)であった.
3.経日的調査からは,新生児期に限られた期間内でも,上皮真珠の個数の増減,大きさの増大などの数量的な増減が観察された.
4.上皮真珠「あり」「なし」の両群間において,(1)母親の年齢(2) 在胎期間(3)生下時体重・身長(4)出生順位(5)妊娠・分娩の異常(6)流産の既往の有無などの項目で比較,検討を行ったが有意な差は認められなかった.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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