小児歯科学雑誌
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SEMによるコンポジットレジンの観察
とくにレジン表層のフィラ
矢尾 和彦神原 修近森 槇子櫛田 雄一稗田 豊治
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1990 年 28 巻 4 号 p. 918-927

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抄録

コンポジットレジンに配合された各種のフィラーの形状を識別することは,コンポジットレジンの物理的性状や臨床上認められる様々な挙動を理解する上で重要である.フィラーを識別するために従来から行われていたレジンの研磨面の観察法に変えて,アセトンによる重合阻止層の除去やフッ化水素酸による無機質の溶解などの処理を施したレジンの表面をSEMで観察したところ,以下のような結果を得た.
1.アセトンで重合阻止層を除去したレジン表面では,各種フィラーは表面に突出した状態を呈しており,マイクロフィラー,粉砕型無機フィラー,有機複合フィラーおよびシンター型フィラーなど全てのフィラーの形態を立体的に観察することができた.
2.この処理法によって,フィラーの配合工程において生じる無機フィラーの凝集体を識別することができた.
3.重合阻止層の除去後フッ化水素酸処理を施したレジン表面では,無機フィラーと有機複合フィラーを識別することができた.
4.同処理法によって,配合された無機フィラーの形状から各種の有機複合フィラーを識別することができた.以上のことから,アセトンとフッ化水素酸による表面処理法は,従来から行われていた研磨表面の観察法に比較して,コンポジットレジンに配合された各種フィラーを識別するうえで,簡便かつ有効な方法であると考えられる.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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