小児歯科学雑誌
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側貌頭部X線規格写真よりみた口蓋面の経年変化の性差の検討
Caucasion小児において
前田 隆秀
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1991 年 29 巻 2 号 p. 345-353

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抄録
口蓋の形態の増齢的変化を知ることは小児歯科臨床にとって重要である.形態の測定に際し常に成長発育を続ける小児において,経時的に不同な部位の特定は困難であり,基準点の設定には苦慮する.従来より,口腔模型上の基準点として,切歯乳頭部ならびに乳歯列期においては上顎第2乳臼歯口蓋側最深歯頸部,永久歯列期においては切歯乳頭部ならびに上顎第1大臼歯口蓋側最深歯頸部が多く用いられている.
同一人の縦断資料にける口蓋の形態変化を比較検討する際,これらの基準点の位置的変化を捉えておかねばならない.著者は,トロント大学矯正学教室Burlington Growth Center所蔵の6歳0カ月,9歳0カ月,12歳0カ月,16歳0カ月の同一人の資料である側貌頭部X線規格写真と口腔模型より各年齢において正常咬合を有するカナダ白人男子26名,女子24名の経年側貌頭部X線規格写真200枚を用い,前述の基準点の増齢的な位置変化を,頭蓋,顎顔面との関係について検討を行ったところOra-M平面はS-N平面に対して増齢的に平坦となり,特に男子では12歳から16歳,女子では9歳から12歳においては顕著であり,思春期における性差が認められた.このことよりOra-M平面を基準面に用いると,たとえ口蓋等の形態に増齢的変化がなかったとしても形態に変化を生じたように観察されることがありうると考えられる.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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