小児歯科学雑誌
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地域乳幼児歯科保健管理に関する研究
第2報 齲蝕抑制効果の測定
阿部 敬典阿部 典子三木 真弓那須 邦子伊勢 美雪西野 瑞穂
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1991 年 29 巻 2 号 p. 373-378

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抄録
1986年6月から開始した地域乳幼児歯科保健プログラムが有効に作用し,乳歯齲蝕の減少に影響を及ぼしているか,また幼児の生活習慣に改善がみられるかなどについて調査,分析し,次の結果を得た.
1) 1歳6カ月から3歳までの間,6カ月毎の健康診査の回数が多いものほど,3歳時の齲蝕発生が抑制されていた.
2) 1歳6カ月児健康診査時のみの歯科保健指導は,3歳時の齲蝕罹患者率の減少に影響を及ぼさなかった.
3) 1歳6カ月時および3歳時の生活習慣に年次推移が認められた.
4) 1歳6カ月時における生活習慣で,(1)離乳の未完了,(2)間食摂取時間の不規則,(3)間食摂取回数が1日3回以上,(4)母親による毎日の歯磨習慣がない,の4項目が3歳児の齲蝕発生に有意に関係していた.
5) 齲蝕発生ハイリスク児のハイリスク判定3カ月後の受診率は低く,約25~50%であった.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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