小児歯科学雑誌
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埋伏歯の三次元的認識に関する研究
阿部 和久山崎 要一田中 武昌緒方 哲朗早崎 治明中田 稔
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1991 年 29 巻 3 号 p. 569-575

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抄録
コンピュータ断層像上の埋伏歯と,実際の埋伏歯との三次元的な位置の相違を正しく認識するために,ヒト小児乾燥頭蓋骨に歯根の彎曲した歯を埋伏歯として付着させ,基準点を埋め込んだシーネを装着して,断層幅,断層間隔共に,1mmにてコンピュータ断層撮影を行なった.得られた二次元画像を組み合わせて三次元座標値を求め,実測値と比較することにより,以下の結論を得た.
1)口蓋点および上顎左側乳前歯から埋伏歯までの距離を,実測値と計算値との間で比較したところ,その差は-0.03~+1.66mmであった.
2)埋伏歯の体積について,その差は27mm3であった.
3)埋伏歯の三次元再構築により,歯根彎曲,歯の外形の状態を任意の方向から表示することができた.
4)埋伏歯と近接する口蓋点や,上顎左側乳前歯との三次元的位置関係について,任意の方向から表示し,観察することができた.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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