小児歯科学雑誌
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歴年齢を基準とした小児期の顎・顔面の成長に関する研究
尾崎 正雄石井 香吉田 穰本川 渉
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1991 年 29 巻 3 号 p. 594-606

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抄録
福岡歯科大学小児歯科所蔵の昭和58年~昭和62年までに撮影された頭部X線規格写真により,1歳6カ月~10歳6カ月までの小児(男子217名,女子266名,計483名)の顎・顔面の成長に関する断面的研究を行った.S-N平面を基準平面とした量的計測と角度的計測を行い,暦年齢を基準とした分類により各部の成長を観察したところ次のような所見を得た.
1.小児における顎・顔面の成長は深さよりも高さの成長がまさっていた.
2.高さでの変化を年齢的にみると,4歳~6歳にかけて成長率が増加してくる.またこの成長率の増加は,女子の方が男子よりも早く起っていた.
3.深さでの変化は高さでの変化と比較すると,成長率の増加は緩やかであった.
4.男女の量的計測結果を比較すると,男子の方が計測値が大きかった.この傾向は高さにおける計測結果に強く現れていた.
5.約30年前に行われた小野の報告と著者らの調査結果を比較したところ,著者らの計測値における下顎角の方が大きかった.また,この傾向は女子の方が強かった.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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