小児歯科学雑誌
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乳歯隣接面齲蝕の咬翼法X線写真とデンタルフロスとによる診査
今村 基尊山本 妙子小野 俊朗今村 節子会田 栄一黒須 一夫
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1991 年 29 巻 3 号 p. 607-613

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抄録

乳歯隣接面齲蝕の診査に咬翼法X線写真を用いることで,齲蝕検出率が高まることはよく知られているが,患者の被爆線量から,頻回撮影することも好ましくない.咬翼法X線写真の撮影回数を減らすために,補助手段としてデンタルフロスによる診査の併用を考え,咬翼法X線写真による診査の結果とデンタルフロスによる診査の結果との関係について検討し,次の結論を得た.
1)咬翼法X線診査の結果とデンタルフロスによる診査の結果との一致率は,67.1%~94.3%であった.
2)上下顎第一乳臼歯遠心面・第二乳臼歯近心面において,フロスにより異常を感じたならばまず齲蝕があったが,フロスによりsmoothと感じても齲蝕がないとは診断しがたい.
3)フロスによる乳歯側方歯群の隣接面齲蝕の診査は,咬翼法X線写真の補助的診査として用いることができると考えられた.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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