小児歯科学雑誌
Online ISSN : 2186-5078
Print ISSN : 0583-1199
ISSN-L : 0583-1199
コンポジットレジンの残留モノマーに関する研究(第2報)
空田 安博岡 裕美子竹下 尚利矢野目 鎮照松田 容士子古谷 充朗木村 光孝
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 30 巻 1 号 p. 29-38

詳細
抄録

コンポジットレジンの残留モノマーは充填後の歯髄刺激の原因の1つとして考えられている。重合したコンポジットレジンから溶出した残留モノマーを定性,定量した研究は多くあるが,コンポジットレジン中の残留モノマーを直接定性,定量した研究は少ない。そこで3種類の光重合型コンポジットレジン(PCB,CCP,P5)を4種類の照射器(LIGHT VL-I,VL-2,Daylight Lamp II, LUXOR)によって重合し,その残留モノマー(Bis-GMAとTri-EDMA)を定性,定量し,重合開始剤であるカンファーキノンを調べ,次のような結果を得た。
1.カンファーキノンの吸収スペクトルは390nmから515nmまでの間に強い吸収帯があり,最大吸収波長が470nmに存在した。また照射器の波長分布については全器種とも波長分布はほぼ400nmから550nmの間にあった。
2.全ての光照射器において残留Bis-GMA率ではP5がPCB,CCPより常に高値を示した。
3.残留Tri-EDMA率ではLIGHT VL-I,VL-2,Daylight Lamp II,LUXORにおいて常にPCBが高値を示し,次いでP5,CCPの順であった。
4.残留モノマー率は光照射器の光強度に依存する傾向を示した。
この残留モノマーの問題は,たとえ残留モノマーが表層ばかりでなく深部に存在していたとしても咀嚼にともなう衝撃によって表面に出てくる可能性がある。このようなことからコンポジットレジンの残留モノマーに関して,様々な条件下で残留モノマー率を測定して行かなければならない。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本小児歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top