心臓
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第27回 心臓性急死研究会
急激な経過をたどり救命が困難であった胸部大動脈瘤の1例
大場 豊治馬渡 一寿福本 義弘
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2015 年 47 巻 SUPPL.1 号 p. S1_127

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抄録

 大動脈瘤は日常診療において, 頻繁に遭遇する疾患である. 5cm以上の大動脈瘤は, 破裂率が高いため, 未然に治療することが多い. 高齢化社会の進行に伴い, 同疾患は増加傾向にあり, もっとも悪い経過である破裂を未然に防ぐため, 早期発見と治療介入が重要である. 胸部大動脈瘤の破裂時期や瘤径の拡大速度を予測することは困難であるが, 胸部大動脈瘤の瘤径が50~60mmでの心血管事故率は年間6.5%, 60mm以上で年間15.6%とされる. 瘤径や拡大傾向の有無に応じて, 定期的にCTまたはMRIにより, 径や形態の変化を評価する必要がある.

 今回我々は急激に増悪し, PCPSなどの処置を用いても救命できなかった胸部大動脈瘤症例を経験したので報告する.

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© 2015 公益財団法人 日本心臓財団
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