小児歯科学雑誌
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歯牙腫により上顎左側第二乳臼歯が埋伏した一例
佐野 正之田辺 盛光佐藤 直芳諸星 孝夫吉村 譲岡藤 正樹巣瀬 賢一鹿田 裕子五嶋 秀男
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1992 年 30 巻 5 号 p. 1048-1055

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抄録
4歳8ヵ月の女児が,上顎左側第二乳臼歯の萌出遅延を主訴として来院した。エックス線診査の結果,上顎左側第二乳臼歯は完全に埋伏していた。その咬合面上に長径5~6mmの楕円径の透過像があり,その内に3~4mm程度の石灰化物様不透過像が観察された。石灰化物様硬組織を外科的に摘出し,病理組織学的検索を行った。その結果,集合性歯牙腫と診断した。また,歯牙腫をエックス線マイクロアナライザーで元素分析したところ,象牙質内ではカルシウムはほぼ均一であった。しかし,エナメル質内ではカルシウムおよびリンは複雑な濃度分布を示した。マグネシウムはエナメル象牙境にかけて高い濃度で存在していた。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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