小児歯科学雑誌
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光重合型裏層材FUJILININGLC®の歯髄刺激に関する病理組織学的研究
木村 光孝内上堀 征人牧 憲司木村 京子高江洲 旭若杉 淳二郎古谷 充朗横本 満Raymond L. Braham
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1992 年 30 巻 5 号 p. 916-924

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抄録
光重合型裏層材FUJILININGLCの歯髄刺激を成犬を用いて病理組織学的に検索を行い,次のような結果を得た。
1) 術後1 日目から3 日目の所見では, 窩底および窩壁から象牙細管に沿った部の象牙芽細胞は萎縮,消失がみられ軽度の炎症性細胞浸潤が認められた。
2) 術後7 日目では, 象牙芽細胞層には萎縮, 消失および空胞形成などの所見もみられ,軽度の炎症性細胞浸潤は継続していた。
3) 術後1 4 日目に至ると, 象牙芽細胞層には萎縮, 消失などが認められたが, 炎症性変化は消退し,修復象牙質の形成開始所見が認められた。
4)術後35日から術後62日経過すると,象牙芽細胞層には軽度の変化は認められるものの,修復象牙質の新生が認められ,回復所見が認められた。
以上の結果から,病理組織学的には,光重合型裏層材 FUJI LINING LC は,歯髄に及ぼす影響は少ないものと推定された。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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