小児歯科学雑誌
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漢民族小児の歯科疾患と歯科的特質に関する実態調査-歯の大きさと歯列の大きさ-
大谷 裕子野中 和明Ike Siti Indiarti中田 稔小野 博志石川 雅章神山 紀久男祖父江 鎭雄長坂 信夫小椋 正Hui Deng石 四箴劉 大維Stephen H. Wei斎藤 徹武井 勉天野 秀昭信家 弘士塩野 幸一清水 久喜王 歓張 野薫 建輝胡 徳渝Joseph C. Y. ChanLily S. M. Tong
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1993 年 31 巻 3 号 p. 510-526

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抄録
著者らは,1990年に中国本土の都市(北京市)と農村(四川省楽山市)および香港の3地域において,漢民族小児の口腔疾患に関する実態調査を行った.現地調査において採得した歯列石膏模型を用いて,漢民族小児の歯と歯列の大きさを調査し,中国大陸3地域に居住する漢民族小児の歯および歯列の大きさについての地域間差を比較検討したところ,次のような結果を得た.
1)乳歯の歯冠近遠心径と頬舌径の大きさにおいて,左右差はなかったが,男児の方が女児より大きい傾向にあった.
2)永久歯の歯冠近遠心径と頬舌径の大きさにおいて,左右差はなかったが,男児の方が女児より大きい傾向にあった.
3)永久歯の大きさについて Penrose Size Distance による分析を行い,北京・楽山および香港の3地域は福建系中国人および日本人とサブクラスターを形成した.
4)歯列弓幅径および弓長は,3歳児から6歳児にかけて増加する傾向を示した.またいずれの地域でも,男児が女児より大きかった.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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