小児歯科学雑誌
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小臼歯における中心結節の早期発見と管理
大谷 裕子野中 和明松本 敏秀柳田 憲一佐々木 康成裵 宗玄Ike Siti Indiarti後藤 哲哉中田 稔
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1993 年 31 巻 3 号 p. 536-541

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抄録

九州大学歯学部附属病院小児歯科外来を受診した患児のうち,口腔内診査およびエックス線写真検査により,小臼歯における中心結節の存在の有無の判定が可能な歯列発育時期にあった2,272名を観察し,以下の結果を得た.
1)口腔内診査およびエックス線写真検査により,81名の患児の171歯に中心結節の出現を認めた.
2)中心結節の出現は下顎第二小臼歯に最も多く認められ,次に下顎第一小臼歯,上顎第二小臼歯,上顎第一小臼歯の順であった.なお,左右両側同名歯に同結節の出現を認めたのは,46名(56.8%)と高頻度であった.
3)担当医により口腔内萌出前に同結節を発見できたのは28歯(16.4%),口腔内萌出直後で破折前に発見されたのは75歯(43.8%),破折後発見されたのは21歯(12.3%),同結節を発見する以前に当科通院中断となったのは47歯(27.5%)であった.
4)同結節の臨床的対応法の内分けは,経過観察中が11歯(6.4%),削合処置が66歯(38.6%),歯髄処置が14歯(8.2%),中断が50歯(29.2%),根管充填済みが3歯(1.8%)であり,その他が27歯(15.8%)であった.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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