抄録
タンニン・フッ化物合剤(HY剤)の歯質の無機成分に対する作用をHY剤中の各フッ化物単独での作用と比較検討するために,各フッ化物の飽和溶液を作製して合成ハイドロキシアパタイトに1日および10日間作用させ,取り込みF量,耐酸性および生成物を調べた.その結果,ZnF2溶液を作用させた試料が最もFの取り込み量が多く,耐酸性も最も優れていた.HY剤を10日間作用させた試料の耐酸性獲得率はSrF2溶液およびF濃度をほぼ同じにしたNaF溶液を作用させた試料と差がなかった.したがって,HY剤の成分であるZnF2の耐酸性向上に及ぼす効果が高く,無機成分の耐酸性を向上させる効果はF濃度をほぼ同じにしたNaF溶液と同等の効果があることが明らかとなった.